みなさん、乙4の試験勉強は順調ですか?
初めて受験される方は、何を勉強すればよいの分からなくて困っていることかと思います。
現に私がそうでした(笑)
そんなみなさんに向けて「絶対に抑えるべき事項(性質・消火編)」をまとめたので紹介します!
勉強法も合わせてご活用ください!
0.学習の仕方
この記事では、最も重要なものにはマーカー付き太字、その次に重要なものには太字で記述してあります。
基本的には、上記2つをメインに目を通していただき、
1.参考書や外部サイト等で過去問を解く
2.分からなかった問題をこの記事で復習する
を繰り返して学びを深めていくことを推奨します。
1.危険物の性質・火災予防・消火の方法
12項目から成ります。自分の苦手なものから取り組むことをオススメします。
1.危険物の分類
類 | 名称 | 主な性質等 |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体 | ① 比重は1より大きい ② 物質そのものは燃焼しない(不燃性) ③ 加熱・衝撃・摩擦に不安定である ④ 加熱すると分解して酸素を放出する ⑤ 多くは無色または白色である。 ⑥ 水溶性のものが多い |
第2類 | 可燃性固体 | ① 引火性固体を除き、比重は1より大きい ② 比較的低温(40℃未満)で引火・着火しやすい ③ 粉じん爆発の危険性がある ④ 燃焼の際に有毒ガスを発生するものがある ⑤ 水と接触すると水素と熱を発生するものがある |
第3類 | 自然発火性物質 及び禁水性物質 | ① 空気に触れると自然発火するものがある ② 水に触れると発火または可燃性ガスを発生するものがある ③ 多くは自然発火性と禁水性の両方の性質を持つ |
第4類 | 引火性液体 | ① 引火性を持つ ② 蒸気比重は1より大きい(低所に滞留する) ③ 液比重は1より小さく、非水溶性が多い |
第5類 | 自己反応物質 | ① 比重は1より大きい ② 燃焼速度が速い ③ 可燃物と酸素供給源が共存している ④ 分子内に窒素を含むものもある |
第6類 | 酸化性液体 | ① 比重は1より大きい ② 物質そのものは燃焼しない(不燃性) ③ 他の物質を強く酸化させる(強酸化剤) ④ 酸素を分離して他の燃焼を助ける ⑤ 多くは腐食性を持ち、蒸気が有毒 |
第3類の中で、自然発火性と禁水性の両方の性質を持たないものは以下の2つだけである。
リチウム:禁水性のみ
黄りん:自然発火性のみ
2.第4類危険物の性状
・引火性の液体である(流動性が高い)
・液体の比重が、1より小さいものが多い
・発火点が650℃以下である
・非水溶性のものが多い(不導体→引火しやすい)
・蒸気比重は、すべて1より大きい
・蒸気は特有の臭気を帯びるものが多い
・ほとんどのものは発火点が100℃以上である
特殊引火物の二硫化炭素は
液体の比重:1.3
発火点:90℃
引火点:-30℃以下
と他の第4類危険物とは異なる性状を持っているので覚えておこう!
[引火点に関して覚えておくと良いこと]
・引火点が低いものほど、引火の危険性が高く、揮発性が高いため蒸発しやすい
・水溶性のものを、注水して濃度を薄くすると、引火点が高くなる
・蒸気比重が小さいものほど、引火点が低い場合が多い
・一般に、沸点が低いものほど引火点は低い
・分子量が大きいものほど引火点が高い場合が多い
分類 | 品名 |
---|---|
特殊引火物 | アセトアルデヒド 酸化プロピレン |
第1石油類 | アセトン ピリジン エチルメチルケトン |
アルコール類 | すべて |
第2石油類 | 酢酸 アクリル酸 プロピオン酸 |
第3石油類 | エチレングリコール グリセリン |
3.第4類危険物の消火
・強化液消火剤(霧状)
・ハロゲン化物消火剤
・二酸化炭素消火剤
・泡消火剤
・粉末消火剤
・注水:危険物が水に浮いて燃焼面積が広がるため(霧状でもNG)
・強化液消火剤(棒状):危険物が飛散するため
4.第4類危険物の貯蔵・取扱い・火災予防
・火炎、高温体、火花に接近または接触しないようにする
・近くに粉末消火剤等の消火器を備えること
・換気を行い、蒸気の濃度は燃焼下限界の1/4以下にすること(高所に排出)
・容器に入れて密栓し、風通しの良い冷暗所に貯蔵すること
・容器内上部に膨張のための余裕空間を確保すること
・みだりに蒸気を発生させないこと
・酸化性の物品と同一の室に貯蔵しないこと
・電気設備を防爆構造とすること(電気火花が発生する恐れがある)
・注入ホースなどは接地導線(アース)のあるものを使用すること
・ホース等で移し替える場合は、遅い流速で行う(静電気の発生を抑える)
・静電気が発生する恐れがある場合は、床面に散水する
5.事故事例(過去問)
[問1]
移動貯蔵タンクから給油取扱所の地下専用タンク(計量口を有するもの)に危険物を注入する場合に行う安全対策として、次のうち適切でないものはどれか。
1. 移動タンク貯蔵所に接地された接地導線を給油取扱所に接地された接地端子に取り付ける。
2. 消化器を、注入口の近くの風上となる場所を選んで配置する。
3. 地下専用タンクの残油量を計量口を開けて確認し、注入が終了するまで計量口のふたは閉めないようにする。
4. 注入中は緊急事態にすぐ対応できるように、移動タンク貯蔵所付近から離れないようにする。
5. 給油取扱所の責任者と地下タンクに注入する危険物の品名、数量等を確認してから作業を開始する。
解説
答え:3
地下専用タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておく
[問2]
ガソリンを貯蔵していたタンクに、そのまま灯油を入れると爆発することがあるので、その場合は、タンク内のガソリン蒸気を完全に除去してから灯油を入れなければならないとされている。この理由として、次のうち適切なものはどれか。
1. タンク内のガソリン蒸気が灯油と混合して、灯油の発火点が著しく低下するから。
2. タンク内のガゾリン蒸気が灯油の流入により断熱圧縮されて発熱し、発火点以上になることがあるから。
3. タンク内のガソリン蒸気が灯油と混合して熱を発生し、発火する事があるから。
4. タンク内に充満していたガソリン蒸気が灯油に吸収されて燃焼範囲内の濃度に下がり、灯油の流入により発生する静電気の放電火花で引火することがあるから。
5. タンク内のガゾリン蒸気が灯油の蒸気と化合して、自然発火しやすい物質ができるから。
解説
答え:4
タンク内のガゾリン蒸気が燃焼範囲の上限値を超える濃度であっても、灯油に溶解吸収されることで、ガソリンの蒸気濃度が下がって燃焼範囲内になることがある。また、灯油注入時に静電気が発生し、その静電気によって爆発・燃焼を起こしやすくなる。
[問3]
次の事故事例を教訓とした今後の対策として、誤っているものはどれか。
「給油取扱所において、計量口が設置されている地下専用タンクに移動貯蔵タンクからガソリンを注入する際、作業者が誤って他のタンクの注入口に注入ホースを結合したため、この地下専用タンクの計量口からガソリンが噴出した。」
1. 注入開始前に、移動貯蔵タンクと注入する地下専用タンクの油量を確認する。
2. 注入ホースを結合する注入口に誤りがないことを確認する。
3. 地下専用タンクの注入管に過剰注入防止装置を設置する。
4. 地下専用タンクの計量口は、注入中は開放し常時ガソリンの注入量を確認できるようにする。
5. 注入作業は、給油取扱所と移動タンク貯蔵所の両方の危険物取扱者が立会い、誤りがないことを確認し実施する。
解説
答え:4
地下専用タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておく
[問4]
第1石油類を貯蔵する屋内貯蔵所で、危険物の流出事故が発生した場合の処置として、適切でないものは、次のA〜Eのうちいくつあるか。
A. 電気設備から引火を防止するため、照明および蒸気を屋根上に排出する設備のスイッチを切った。
B. 流出事故が発生したことを従業員や施設内の人たちに知らせるとともに、消防機関に通報した。
C. 消火の準備をするとともに、床面に流出した危険物に乾燥砂をかけ吸い取った。
D. 危険物を移動させるため、危険物の入っている金属製ドラムを引きずって屋外に運び出した。
E. 貯留設備にたまった危険物を汲み上げ、ふたのある金属容器に収納した。
解説
答え:2つ(AとD)
A:排出設備のスイッチを切ってはならない。また、スイッチのON/OFF時に電気火花が発生する危険性がある。
D:危険物の入った金属製ドラムを引きずってはならない。火花が発生したり危険物が揺動することで静電気が発生しやすくなったりする。
[問5](超重要!)
危険物を取り扱う地下埋設配管(鋼管)が腐食して危険物が漏えいする事故が発生している。この腐食の原因として最も考えにくいものは次のうちどれか。
1. 配管を埋設するとき工具が落下し、配管の被覆がはがれたのに気づかず埋設した。
2. コンクリートの中に配管を埋設した。
3. 電気設備を設置する為、銅の棒を地中に打ち込んだとき、埋設した配管と銅の棒が接触した。
4. 配管を埋設した場所の近くに、直流の電気設備を設置したため、迷走電流が大きく影響した。
5. 粘度の異なる土壌にまたがって配管を埋設した。
解説
答え:3
1:被覆がはがれると、そこから腐食しやすくなる。
2:コンクリートが正常な状態であれば、埋設した配管は腐食しにくい。
3:アースの銅よりイオン化傾向の大きい配管が先に腐食する。
4:迷走電流が鋼管を通ることで、鋼管が腐食しやすくなる。
5:土質が異なる(粘度が異なる)土壌にまたがって配管を埋設すると腐食しやすい。
6.特殊引火物の性状
特殊引火物とは、1気圧において発火点が100℃以下のもの、または引火点が−20℃以下で沸点が40℃以下のものをいう。
特殊引火物は燃焼範囲が広く、蒸気が燃焼しやすい。
■ジエチルエーテル(C2H5OC2H5) 引火点が最も低い
・無色の液体で、甘い刺激臭がある
・水には少し溶け、アルコールにはよく溶ける
・電気の不導体で、静電気を発生しやすい
・空気との接触や日光の下で、酸化されて爆発性の過酸化物を生成する
・金属製やガラス製等の容器に入れて密栓し、冷暗所で貯蔵する
■二硫化炭素(CS2) 発火点が最も低い
・純粋なものは無色、長時間日光に当てられたものは黄色
・純粋なものは無臭、通常は特有の不快臭
・水には溶けにくく、エタノールにはよく溶ける
・電気の不導体で、静電気を発生しやすい
・蒸気は特に有毒である
・可燃性蒸気の発生を抑えるため、液面上に水を張って貯蔵する(水没貯蔵法)
・空気中では青い炎で燃え、燃焼すると二酸化炭素と二酸化硫黄を発生する
CS2+3O2→CO2+2SO2
■アセトアルデヒド(CH3CHO) 沸点が最も低く燃焼範囲が広い
・無色の液体で刺激臭があり、揮発性が高い
・水によく溶け、有機溶剤にも溶ける
・酸化すると酢酸になる
・還元されるとアルコールになる
・鋼製の容器等に、窒素等の不活性ガスを封入して貯蔵する
・空気と長時間接触または接触した状態で加圧すると、爆発性の過酸化物を生成する
・熱または光で分解し、メタン(CH4)と一酸化炭素(CO)になる
■酸化プロピレン
・無色の液体で、エーテル臭がある
・水によく溶け、エタノールやジエチルエーテルにも溶ける
・窒素等の不活性ガスを封入して貯蔵する
・重合反応を起こし、多量の熱を発生する
品名 | 比重 | 沸点 | 引火点 | 発火点 | 燃焼範囲 | 蒸気比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
ジエチルエーテル | 0.7 | 35℃ | −45℃ | 160℃ | 1.9〜36vol% | 2.6 |
二硫化炭素 | 1.3 | 46℃ | −30℃以下 | 90℃ | 1.3〜50vol% | 2.6 |
アセトアルデヒド | 0.8 | 21℃ | −39℃ | 175℃ | 4.0〜60vol% | 1.5 |
酸化プロピレン | 0.8 | 35℃ | −37℃ | 449℃ | 2.1〜39vol% | 2.0 |
7.第1石油類の性状
第1石油類は、1気圧で引火点が21℃未満(特殊引火物を除く)のものをいう。
■ガソリン(CmHn)
・特有の臭気がある
・自動車用ガソリンは着色剤によってオレンジ色に着色されている
・工業用ガソリンは無色透明である
・皮膚に触れると皮膚炎を起こすことがあり、蒸気を吸入すると目眩や頭痛等を起こす
・電気の不導体で、流動により静電気が発生しやすい
・炭素数4〜10程度の炭化水素の混合物である
■ベンゼン(C6H6)
・無色で、芳香族特有の甘い香りをもつ
・水には溶けないが、有機溶剤にはよく溶ける
・蒸気は強い毒性をもつ
・電気の不導体で、流動により静電気が発生しやすい
・凝固点が5.5℃と低く、冬季は固化することがある
■トルエン(C6H5CH3)
・無色で、特有の臭気がある
・水には溶けないが、有機溶剤にはよく溶ける
・蒸気は毒性をもつ(ベンゼンよりは弱い)
・金属への腐食はない(金属と作用しない)
・濃硝酸と反応し、トリニトロトルエンを生成することがある
■酢酸エチル(CH3COOC2H5)
・無色で果実臭がある
・水には少し溶け、ほとんどの有機溶剤に溶ける
■エチルメチルケトン(メチルエチルケトン)(CH3COC2H5)
・無色で、特異な臭気がある
・水には少し溶け、アルコールやジエチルエーテルなどにはよく溶ける
・泡消火剤は、水溶性液体用のものをつかう
・直射日光を避けて、通風のよい冷暗所に貯蔵する
■アセトン(CH3COCH3)
・無色で、特異な臭気があり、高い揮発性をもつ
・水によく溶け、アルコールやジエチルエーテルなどにもよく溶ける
・両親媒性(水にも油にも溶ける性質)がある
・酸化性物質と混ぜると酸化作用によって発火することがある
・泡消火剤は、水溶性液体用のものをつかう
■ピリジン(C5H5N)
・無色で、特異な悪臭がある
・水によく溶け、アルコールやジエチルエーテルなどにもよく溶ける
品名 | 比重 | 沸点 | 引火点 | 発火点 | 燃焼範囲 | 蒸気比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガソリン | 0.65〜0.75 | 38〜220℃ | −40℃以下 | 300℃ | 1.4〜7.6vol% | 3〜4 |
ベンゼン | 0.9 | 80℃ | −11℃ | 498℃ | 1.2〜7.8vol% | 2.8 |
トルエン | 0.9 | 111℃ | 4℃ | 480℃ | 1.1〜7.1vol% | 3.1 |
酢酸エチル | 0.9 | 77℃ | −4℃ | 426℃ | 2.0〜11.5vol% | 3.0 |
エチルメチルケトン | 0.8 | 80℃ | −9℃ | 404℃ | 1.7〜11vol% | 2.5 |
アセトン | 0.8 | 56℃ | −20℃ | 465℃ | 2.5〜12.8vol% | 2.0 |
ピリジン | 0.98 | 115.5℃ | 20℃ | 482℃ | 1.8〜12.4vol% | 2.7 |
8.アルコール類の性状
■メタノール(CH3OH)
・毒性が強い
・アルコール類で、最も分子量が小さい化合物である
・酸化すると「ホルムアルデヒド」になる
・さらに酸化すると「ギ酸」になる
■エタノール(C2H5OH)
・毒性はないが、麻酔性がある
・酸化すると「アセトアルデヒド」になる
・さらに酸化すると「酢酸」になる
・無色で、特有の芳香がある
・水や多くの有機溶剤とよく溶け合う
・水で希釈すると引火点は高くなる
・揮発性が高い
・1つのヒドロキシ基をもつ飽和1価アルコール
・酸化性物質と混ぜると酸化作用によって発火することがある
・青白い炎を出して燃える
・ナトリウム Na と反応させると、水素を発生する
■1-プロパノール(n-プロピルアルコール)(C3H7OH)
・無色透明の液体
・水、エタノール、ジエチルエーテルに溶ける
■2-プロパノール(イソプロピルアルコール)((CH3)2CHOH)
・無色透明の液体で、特有の芳香がある
・水、エタノール、ジエチルエーテルに溶ける
・青白い炎を出して燃える
・酸化するとアセトンになる
品名 | 比重 | 沸点 | 引火点 | 発火点 | 燃焼範囲 | 蒸気比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
メタノール | 0.8 | 64℃ | 11℃ | 464℃ | 6.7〜37vol% | 1.1 |
エタノール | 0.8 | 78℃ | 13℃ | 363℃ | 3.3〜19vol% | 1.6 |
1-プロパノール | 0.8 | 97.2℃ | 15℃ | 412℃ | 2.1〜13.7vol% | 2.1 |
2-プロパノール | 0.8 | 82℃ | 12℃ | 399℃ | 2.0〜12.7vol% | 2.1 |
9.第2石油類の性状
第2石油類は、1気圧において引火点が21℃以上70℃未満のものをいう
■灯油
・無色または淡黄色で、経年劣化で黄褐色のものもあり、特有の臭気をもつ
・ガソリンを混合してはならない
・電気の不導体で、流動により静電気が発生しやすい
■軽油
・製造直後は無色で、淡黄〜淡褐色などに着色されている
・酸化性物質と混ぜると酸化作用によって発火することがある
・電気の不導体で、流動により静電気が発生しやすい
■キシレン(C6H4(CH3)2)
・無色で芳香族特有の芳香がある
・3種の異性体が存在する
・水には溶けず、二硫化炭素、エタノール、ジエチルエーテルなどに溶ける
・蒸気には毒性がある
・塗料などの溶剤として利用されている
■クロロベンゼン(C6H5Cl)
・無色の液体で、特徴的な臭気をもつ
・水には溶けず、アルコール、エーテルなどに溶ける
■1-ブタノール(CH3(CH2)3OH)
・無色で、刺激的な発酵した臭いがする
・4種の異性体がある
・水に少し溶け、有機溶剤によく溶ける
・酸化すると「ブチルアルデヒドおよび酪酸」になる
・加熱や燃焼により、刺激性で腐食性のある有害ガスを発生する
■酢酸(CH3COOH)
・無色で、刺激性の臭気をもつ
・アセトアルデヒドの酸化により得られる
・高純度のものは氷酢酸とよばれ、17℃以下で結晶化する
・強い腐食性がある有機酸で、多くの金属を腐食して可燃性ガスを発生する
・水によく溶け、有機溶剤にも溶ける
・アルコール ROH と反応すると、酢酸エステルを生成する
・青い炎をあげて燃焼し、二酸化炭素と水を発生する
■アクリル酸(CH2=CHCOOH)
・無色で、酢酸に似た刺激性の臭気を持つ
・水やエーテル、アルコールなどに任意の割合で混じり合う
・非常に重合しやすく、重合熱は1076kJ/kgと大きい
・凝固させないように保管する
・強い腐食性があり、また濃い蒸気を吸入すると粘膜を刺激して炎症を起こす
・容器はステンレス鋼または内面をポリエチレンでライニングしたものを用いる
重合しやすくなる条件:
① 加熱や光などの影響
② 高温体・酸化性物質・過酸化物・アルカリ溶液・鉄さびとの接触や混触
品名 | 比重 | 沸点 | 引火点 | 発火点 | 燃焼範囲 | 蒸気比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
灯油 | 約0.8 | 145〜270℃ | 40℃以上 | 約220℃ | 1.1〜6.0vol% | 4.5 |
軽油 | 約0.85 | 170〜370℃ | 45℃以上 | 約220℃ | 1.0〜6.0vol% | 4.5 |
キシレン | 約0.9 | 138〜144℃ | 約32℃ | 約464℃ | 0.9〜7.0vol% | 3.7 |
クロロベンゼン | 約1.1 | 132℃ | 約28℃ | 約464℃ | 1.3〜10vol% | 3.9 |
1-ブタノール | 0.8 | 117℃ | 35〜37.8℃ | 約343〜401℃ | 1.4〜11.2vol% | 2.6 |
酢酸 | 1.05 | 118℃ | 39〜41℃ | 約463℃ | 4.0〜19.9vol% | 2.1 |
アクリル酸 | 1.05 | 141℃ | 51℃ | 約438℃ | 3.9〜20vol% | 2.45 |
10.第3石油類の性状
第3石油類は、1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のものをいう
■重油
・褐色または暗褐色の粘性のある液体で、特有の臭いをもつ
・日本工業規格により粘度ごとに分類されている
・1種⇒2種⇒3種の順に粘度が大きくなる
・水には溶けない
・不純物として含まれる硫黄は、燃焼すると有害な二酸化硫黄になる
■クレオソート油
・濃黄褐色または黒色の粘ちゅう性の油状液体で、刺激臭をもつ
・人体に対して有毒である
・水には溶けないが、アルコールやベンゼンには溶ける
・ナフタレンやアントラセンなどが含まれる
・金属に対する腐食性はない
■アニリン(C6H5NH2)
・無色または淡黄色で、特有の臭気をもつ
・水には溶けにくいが、ジエチルエーテル、エタノール、ベンゼンにはよく溶ける
■ニトロベンゼン(C6H5NO2)
・淡黄色〜暗黄色の油状液体で、アーモンド臭をもつ
・自己反応性はない
・水にはほとんど溶けないが、大部分の有機溶剤には溶ける
■エチレングリコール(C2H4(OH)2)
・甘味と粘性のある無色の液体で、吸湿性がある
・水、エタノールには溶けるが、ベンゼンには溶けない
・エンジンの不凍剤に使われる
・ナトリウムと反応して水素を発生する
■グリセリン(C3H5(OH)3)
・甘味と粘性のある無色の液体で、吸湿性がある
・ニトログリセリンの原料となる
・水やエタノールには溶けるが、ジエチルエーテルやベンゼンなどには溶けにくい
・3価アルコールに分類される
品名 | 比重 | 沸点 | 引火点 | 発火点 | 燃焼範囲 | 蒸気比重 |
---|---|---|---|---|---|---|
重油 | 0.9〜1.0 | 300℃以上 | 1種:60℃以上 2種:60℃以上 3種:70℃以上 | 250〜380℃ | – | – |
クレオソート油 | 1.1 | 200℃以上 | 75℃ | 335℃ | – | – |
アニリン | 1.01 | 185℃以上 | 70℃ | 615℃ | 1.2〜11vol% | 3.2 |
ニトロベンゼン | 1.2 | 211℃以上 | 88℃ | 482℃ | 1.8〜40vol% | 4.2 |
エチレングリコール | 1.1 | 197℃以上 | 111℃ | 413℃ | 3.2〜15vol% | 2.1 |
グリセリン | 1.3 | 291℃以上 | 160〜199℃ | 370℃ | – | – |
11.第4石油類の性状
第4石油類は、1気圧において常温で液状であり、かつ引火点が200℃以上250℃未満のものをいう
大きく分けて、潤滑油(ギヤー油、シリンダー油、切削油など)と可塑剤に分けられる
・非水溶性で、粘度が高く、比重が1より小さいものが多い
・引火点が高いため、一般に、加熱しない限り引火の危険性は少ない
・燃焼温度が高く、火災時には液温が非常に高くなる
・霧状にしたものや布に染み込んだものは、引火しやすくなる
・揮発性がほとんどないので、蒸発しにくい
12.動植物油類の性状
動植物油類は、動物の油脂等または植物の種子もしくは果肉から抽出したものであり、1気圧において引火点が250℃未満のものをいう
マーガリンは、不飽和脂肪酸で構成された植物油の油脂に、水素を付加して作られた硬化油である
・非水溶性で、液比重が水より小さいものが多い(約0.9)
・布に染み込んだものは、酸化し、自然発火する危険性がある
・霧状にしたものや布に染み込んだものは、引火しやすくなる
・一般に、不飽和脂肪酸を含む
・一般に、油脂の融点は、脂肪酸の炭素数が多いほど高くなる
・同じ炭素数である場合は、二重結合の数が多くなるほど融点は低くなる
■自然発火
・空気に触れ、酸化することによって生じた熱が蓄積し、発火点に達することで生じる
・ヨウ素価は「油脂100gが吸収するヨウ素のグラム数」で表し、不飽和結合がより多く存在する油脂ほど、この値が大きくなり、不飽和度が高い。
種類 | ヨウ素価 | 品名 | 特徴 |
---|---|---|---|
乾性油 | 130以上 | アマニ油 キリ油 | 空気中で完全に固まる油。 自然発火を起こしやすい。 |
半乾性油 | 100〜130 | ナタネ油 ゴマ油 | 空気中で反応し、流動性は低下する |
不乾性油 | 100以下 | ヤシ油 オリーブ油 | 空気中で固まらない油 |
2.おわりに
最後まで閲覧したあなたなら性質・消火はバッチリ!
過去問を解いて性質消化が8割を切らなくなれば本番で6割切ることはないと思います!
好評であれば【物理・化学編】も作成したいと思います
それでは、試験勉強がんばってくださいね
コメント